イソジン®とは

イソジン®とは、感染症の原因となるウイルスや細菌、真菌に対して殺ウイルス・殺菌効果があるPVPI(ポビドンヨード)を有効成分としたうがい薬を代表とする、総合感染対策ブランドです。

1950年代に開発され、いまでは、殺菌・消毒剤の世界的ブランド(海外では主にベタダイン®)へと成長し、世界各国で使用されています。

※一部イソジン®シリーズには、PVPI(ポビドンヨード)を含まない商品もございます。

有効成分ポビドンヨード(PVPI)とは?

PVPI(ポビドンヨード)の特徴

  1. 広域性
    幅広い細菌とウイルスに効果を発揮します。

  2. 即効性
    15秒~60秒の間に菌やウイルスに作用し、不活性化します。

  3. 忍容性
    創傷治療を遅らせることはありません。

  4. 薬剤耐性
    起こしにくい

1.広域性:PVPIの効果がある細菌・ウイルスなど

グラム陰性菌
  • アシネトバクター属
  • エロモナス属
  • バクテロイデス属 (口腔)
  • カンビロバクタージェジュニ
  • シトロバクタ―属
  • エドワードジエラ属
  • エンテロバクター・アエロゲネス
  • 大腸菌
  • ガードネレラ・ヴァギナリス
  • クレブシエラ・ニューモニエ
  • モラクセラ・カタラーリス
  • モルガネラ・モルガニイ
  • 淋菌
  • プロテウス属
  • プロビデンシア属
  • シュードモナス属
  • サルモネラ属
  • セラチア属
  • シゲラ属
  • ビブリオ属
グラム陽性菌
  • バシラス属
  • クロストリジウム属
  • コリネバクテリウム属
  • エンテロコッカス属 (バンコマイシン耐性含む)
  • ラクトバチルス・アシドフィルス
  • ミクロコッカス・フラバス
  • ミクロコッカス・ルテウス
  • ブドウ球菌属 (メチシリン耐性を含む黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌)
  • ストレプトコッカス属 (肺炎レンサ球菌、化膿レンサ球菌)
  • ペプトストレプトコッカス属
  • ノカルジア属
  • ストレプトマイセス属
抗酸菌
  • 結核菌
  • 非結核性抗酸菌 (マイコバクテリウム・ケロネー、マイコバクテリウム・フォーチュイタイム)
真 菌
  • アスペルギルス属
  • ブラストミセス・デルマティティディス
  • カンジタ属
  • クラドスポリウム属
  • クリプトコッカス・ネオフォルマンス
  • デバリオマイセス属
  • エピデルモフィトン・フロッコースム
  • フザリウム・バーティシリウム
  • ミクロスポルム・オーズアニ
  • ピエドリア属
  • マラセチア・フルフル
  • トリコフィトン属
原生生物、その他微生物
  • 赤痢アメーバ
  • 膣トリコモナス
  • 梅毒トレポネーマ
  • クラミジア・トラコマチス
  • マイコプラズマ・ホミニス
  • ウレアプラズマ・ウレアリチクム
ウイルス
  • アデノウイルス5型
  • 牛ウイルス性下痢ウイルス
  • コロナウイルス
  • コクサッキーウイルス (A16型含む)
  • エンテロウイルス71型
  • 単純ヘルペスウイルス1型
  • ヒト免疫不全ウイルス
  • A型インフルエンザウイルス
  • 麻疹ウイルス
  • ムンプスウイルス
  • ポリオウイルス (1型、3型)
  • ポリオ―マウイルス SV40
  • ノロウイルス
  • 狂犬病ウイルス
  • ライノウイルス
  • ロタウイルス
  • 風疹ウイルス
  • ワクチニアウイルス
  • MERSコロナウイルス
  • SARSコロナウイルス
  • エボラウイルス
芽 胞
  • バシラス属芽胞
  • クロストリジウム属芽胞
  • アスペルギルス属芽胞
  • ペニシリウム属芽胞

出典:VanderWyk (1972), Houang et al. (1976), Scherr (1976), Gerschenfeld (1977), Berkelman (1982), Horn (1983), Gocke (1985), Stahl-Bayliss & Chelle (1990), McLure & Gordon (1992), Goldenheim (1993), Shiraishi (1993) , Fleischer (1997), Kawana et al. (1997), Wichelhaus (1998), Payne et al. (1998), Koburger (2010) & Data on File (1973, 1984), Ripa et al. (2002), Eggers et al. BMC Infectious Diseases (2015), Eggers et al. Infect Dis Ther (2015)

〈監修〉東北医科薬科大学大学院薬学研究科臨床感染症学教室 教授 藤村茂先生

2.即効性:ウイルスに対する効果など

「有効ヨード0.7%を含有する含嗽用の製剤」のウイルス不活化時間は以下のとおりでした。

ウイルス 薬液の希釈倍数* ウイルス不活性化時間
コクサッキーウイルス
  1. 原液
  2. 10倍
  3. 100倍
  1. 30秒
  2. 5分
  3. 5分
エコーウイルス
  1. 原液
  2. 10倍
  3. 100倍
  1. 30秒
  2. 1分
  3. 5分
エンテロウイルス
  1. 原液
  2. 10倍
  3. 100倍
  1. 30秒
  2. 30秒
  3. 30秒

*:薬液10mLにウイルス液0.1mLを加えて、規定時間作用させた。20°C で実施。
出典:野田伸司ほか:岐衛研所報, 1979, 24, 15.

また、以下のウイルスに対しても十分な不活化効果を示しました。

ウイルス イソジンガーグル液7%の希釈倍率(PVP-I濃度) 作用時間 ウイルス不活化率
単純ヘルペスウイルス 140倍(0.05%) 30秒 99.99%以上
アデノウイルス 28倍(0.25%) 30秒 99%
風疹ウイルス 28倍(0.25%) 60秒 99%以上
麻疹ウイルス 28倍(0.25%) 60秒 99%以上
ムンプスウイルス 140倍(0.05%) 60秒 99.99%以上
インフルエンザウイルス 28倍(0.25%) 30秒 99.99%以上
ロタウイルス(サル) 28倍(0.25%) 30秒 99.99%以上
ポリオウイルス 28倍(0.25%) 30秒 99.9%以上
HIV 200倍(0.035%) 30秒 99.99%以上
サイトメガロウイルス 140倍(0.05%) 30秒 99.99%以上
SARSウイルス 15倍(0.47%) 60秒 99.9%以上
鳥インフルエンザウイルス(高病原性) 30倍(0.23%) 10秒 検出限界以下
鳥インフルエンザウイルス(低病原性) 30倍(0.23%) 10秒 検出限界以下
カリシウイルス(ネコ、イヌ) 30倍(0.23%) 10秒 99.9%以上

出典:川名林治ほか:臨床とウイルス, 1998, 26(5), 371.
Ito, H., et al.:Dermatology, 2006, 212(Suppl. 1), 115.
Kariwa, H., et al.:Dermatology, 2006, 212(Suppl. 1), 119.
遠矢幸伸ほか:日本化学療法学会雑誌, 2006, 54(3), 260.

感染対策

ひと口目は強めにくちゅくちゅうがいをし、吐き出します。
ふた口目は上を向いて約15秒「ガラガラ」うがいをし、吐き出します。
さん口目も、上を向いて約15秒「ガラガラ」うがいをして吐き出します。

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石鹸をつけ、手の平を合わせてよく洗います。
手の甲をのばすように洗います。
指先、爪の間、指の間を十分に洗います。
親指と手首を洗います。
流水でよく手をゆすぎます。
清潔なタオルでよくふきます。(タオルの共用はしません)

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ゴム紐を耳にかけます。
鼻と口の両方を確実に覆い、あごが大きく出ないようにしましょう。
フィットするように調節します。鼻の部分に隙間をつくらないようにしましょう。

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イソジン®ヒストリー

日本では1961年の登場以来、55年以上、殺菌消毒剤として使われてきたイソジン®

殺菌消毒成分ポビドンヨード(PVPI)を有効成分として生まれたイソジン®が普及してきた歴史を振り返ります。

  • 1798年

    PVPIの主役であるヨウ素は150年以上前から、感染症予防や傷の治療に使用されてきました(*1)。

    人との密接な関係は、ナポレオンのエジプト遠征(1798-1801)にさかのぼるといわれています(*2)。

  • 1811年

    フランスの硝石産業に従事するベルナール・クールトワ(1777-1838)によって元素としてのヨウ素が発見されました(*3)。紫色を意味するギリシャ語(ioeids)からiodine(ヨウ素)と命名されました。

  • 1863年

    南北戦争中の米国において、ヨウ素による殺菌・消毒が広く普及しました。

  • 1961年

    日本でイソジン®として登場し、以来55年以上、多くの家庭でなくてはならない存在として定着しました。

参考文献:

(*1) Fleischer W, Reimer K. Dermatology.1997,195(suppl.2):3-9.
(*2) Selvaggi G, et al.Acta chir belg.2003,103:241-247.
(*3) Swain PA. Bull Hist Chem.2005,30(2):103-111.